子どもが宿題をしない理由と対策【小学生の親向け・やってはいけないNG行動5選】

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「宿題をしなさい!」と毎日言っているのに、なかなか取りかからない子どもにイライラしていませんか。
実は、小学生が宿題をしない理由には、集中できない環境、やる気の低下、苦手教科の先延ばしなど、様々な原因があります。大切なのは、頭ごなしに叱るのではなく、その原因を理解して適切にサポートすることです。
この記事では、子どもが宿題をしない3つの理由と、やる気を引き出す5つの方法を紹介します。さらに、保護者がついやってしまいがちなNG行動も解説。命令口調や怒鳴ることが逆効果になる理由もお伝えします。
子どもの気持ちに寄り添いながら、自主的に宿題に取り組めるようサポートする方法を一緒に考えていきましょう。

小学生が宿題をしない3つの理由

子どもが宿題をせずに困っている保護者は多いでしょう。「どうして宿題をやらないのか」と頭を悩ませることもあります。宿題に取り組ませるには、まず原因を把握し、それに応じた対策を実施することが重要です。ここでは、小学生が宿題をしない理由を3つ分析してみましょう。

理由①:集中できない環境にある

学習環境が整備されていない場合、宿題をやりたくても取り組めない状況になっているかもしれません。
兄弟がゲームで遊んでいたり、すぐ手に取れる場所にマンガが置いてあったりすると、他のことに気を取られて宿題に集中できません。

私がこれまで担任してきた子の中で宿題をしていない子たちの共通点は、家庭内の学習環境が整えられていないということです。場所、時間が定まっていない、周りに気が散るものがある、これらは宿題できない3点セットです。

逆に、宿題をしてくる子は宿題をする環境が必ず整っています。大人も一緒ですよね。スマホやゲームが近くにある状態で勉強するのと、地域の図書館で勉強するのとでは、どちらが集中できるか一目瞭然です。私は、これが一番の原因だと考えています。

宿題に取り組む際は、兄弟に静かにしてもらうよう協力を求める、目に入る範囲に学習道具だけを置くといった基本的な環境整備が必要です。

理由②:やる気が湧かない状態になっている

宿題の意味を理解できない、習い事などで疲労して勉強する体力が残っていないなど、やる気が湧かない状態になっている可能性があります。
宿題には集中力が必要なため、体力や気力がない状態では、期待どおりに進みません。

そのような場合は、やる気が出ない原因を特定し対策を講じることが重要です。宿題の意味を理解できないなら利点を説明する、体力が残っていないなら仮眠を取らせるなど、実現可能なことから段階的に改善しましょう。

私の勤務していた学校にも習い事で疲れ果てて、宿題ができないという子がいました。そういう子たちには学校で宿題をさせていました。朝の時間や休み時間を使って、少しずつでも進められるようサポートすることで、「宿題は必ずやるもの」という意識を持たせることができました。

理由③:苦手教科を先延ばしにしている

長期休暇などで大量の宿題が出された場合、事前に計画を立てないと、途中でやる気を失う可能性があります。
例えば、「得意教科を先に終わらせ、最後に苦手教科だけが残って宿題が進まなくなる」というケースが想定されます。

宿題を始める前に、出された課題の量や内容を把握し、バランスの良い計画を立てることが大切です。小学生が宿題をやらない原因として、この計画性の欠如は意外と多いのです。

宿題のやる気を引き出す5つの方法

方法①:ゲーム感覚で楽しく取り組む

宿題をゲームに見立てて、クリアすべきステージや小さな達成感を設定してあげましょう。

例えば、「算数の問題を10問解いたらシールを1枚貼る」といったように、やる気を引き出すための楽しい仕組みを設けてみます。

私のクラスでは自主勉強ノートのノルマを設定していました。クラスみんなで達成しようという目標を立てて行うと、学校の空いた時間や宿題でやってくる子が増えました。個人の目標だけでなく、みんなで協力して達成する目標があると、子どもたちは驚くほど頑張ります。

方法②:タイマーとスケジュール管理で習慣化する

お子さん自身で宿題を進めるのが難しいときは、自分でできるようになるまで、保護者が「時間とスケジュール」を管理することが重要です。

学習時間は、カラフルなタイマーなど視覚的にもやる気が出るアイテムを準備して、25分間の集中作業と5分間の休憩を交互に繰り返すなど、メリハリをつけた学習をさせてあげてください。

スケジュール管理では、「この時間にやりなさい」という決めつけではなく、お子さんと相談して、「何時からなら学習ができるね」と約束事として一緒に決めていくと良いでしょう。

方法③:褒め言葉やポジティブなフィードバックを与える

お子さんが宿題を進める際は、「宿題やれてスゴイ!」や「今日もきちんとやれて、嬉しいわ」など褒め言葉やポジティブな言葉を積極的にかけてあげてください。

お子さんの取り組みや努力を称賛することで、自信をつけさせることができ、やる気を引き出せます。

宿題ができない子が少しでも宿題をしてきた日は、必ず褒め言葉をかけるようにしています。少しずつでも認めることで、本人のやる気に繋がります。「昨日より1問多く解けたね」「字が丁寧に書けているよ」など、小さな成長も見逃さず伝えることが大切です。

方法④:興味を引く学習資料を活用する

興味を引くような教材や学習ツールを使って、宿題や学習内容を楽しくアプローチします。

例えば、絵が入った算数の問題集や、学習アプリを活用することで、子どもの興味を引き出しやすくなります。

小学生向けには楽しさや達成感を重視した方法が効果的です。お子さんの興味や特性に合わせて工夫し、宿題を楽しくこなせるようサポートしてあげてくださいね。

方法⑤:家族や友達と協力して宿題を進める

兄弟や姉妹、保護者と一緒に宿題をすることで、お互いに励まし合いながら取り組めます。

お友達と勉強会を開いたり、互いに質問し合ったりすることで、モチベーションを高めることができます。小学生が宿題をしない状況から脱却する良い方法です。

逆効果!保護者がやってはいけない5つのNG行動

子どもが宿題をやらないと、イライラしてしまうこともあるかもしれません。ただし、逆効果になるような言動は控えた方が良いでしょう。

NG行動①:命令口調で指示する

宿題をしなくても、子どもは心の中で「宿題をやらなければいけない」と感じていることもあります。
そんなとき、頭ごなしに「早く宿題をしなさい」と命令されると、子どもはやる気を失ってしまいます。命令口調は避けた方が良いでしょう。

ある年の懇談会で、「あまりに宿題しないんで、最近宿題しなさいって言わないようにしてるんです」という保護者がいました。私は「それでいいんです。その代わり『宿題一緒にしよう』など、寄り添う言い方をしてください」とアドバイスしました。その子は、次の学期から、少しずつ宿題をしてくるようになりました。

命令ではなく、一緒に取り組む姿勢を見せることで、子どもは安心して宿題に向かえるようになります。

NG行動②:イライラした態度を見せる

子どもが宿題に取り組まない様子を見ているとイライラするかもしれませんが、それを態度に出すのも避けるべきです。

保護者のイライラした気持ちが子どもに伝わると、反発心が起きてかえってやりたくなくなってしまうということもあります。

宿題に取り組む気持ちになれない理由を想像して対応する姿勢が必要です。

NG行動③:怒鳴ったり口やかましく怒ったりする

宿題をやらない子どもに対して大きな声で怒鳴ったり、ガミガミ言ったりするのはやめましょう。

怖いという気持ちから一時的に机に向かっても、宿題に集中することは難しいからです。

宿題と恐怖が結びついて、ますます宿題が嫌いになってしまう可能性もあります。

NG行動④:無視をする

イライラした気持ちを無視という形で表すのは避けましょう。

大好きな保護者に無視をされると子どもは傷つき、宿題だけでなく、何事にも取り組む元気がなくなってしまいます。

子どもの気持ちを考えながら、適切な対応をとることを心がけましょう。

NG行動⑤:高額な物で釣る

「宿題をやったら新しいゲームを買ってあげる」などと、高額なご褒美で釣るのも良くありません。

宿題をすることではなく、ご褒美をもらうことが目的になってしまうからです。

ご褒美をくれないなら宿題をやらない、という習慣がつく可能性もあるため、このような方法は避けた方が良いでしょう。

小さな達成感を味わえる仕組み(シール、お手伝い免除など)と、物で釣ることは違います。日常的な楽しみの範囲で工夫しましょう。

まとめ:今日から始められる宿題サポート

子どもにまだしっかりと学習習慣がついていない場合は、しばらく寄り添い、「宿題は必ずやるもの」という習慣づけをすると良いでしょう。

今日から始められる3つのステップ

  • ステップ1:環境チェック
    □ 宿題をする場所を決める
    □ 机の上を片付ける
    □ ゲームやマンガを見えない場所に移動する
  • ステップ2:時間の約束
    □ 子どもと相談して宿題の時間を決める
    □ タイマーを用意する
    □ 「宿題の時間だね」と優しく声かけする
  • ステップ3:寄り添いサポート
    □ 「宿題一緒にしよう」と誘う
    □ できたところを具体的に褒める
    □ 小さな成長も見逃さない

12年間の教員生活で、何百人もの子どもたちを見てきました。宿題をやらない子には、必ず理由があります。そして、適切なサポートがあれば、必ず改善します。

忘れられないのは、6年生まで宿題をほとんどやらなかった子が、卒業式の日に「先生、中学では宿題頑張ります」と言ってくれたこと。

その子に合った方法を一緒に見つけることができたからです。焦らず、お子さんのペースで進めていけば、必ず道は開けます。

まずは今日、お子さんと一緒に宿題をする場所を片付けることから始めてみませんか。小さな一歩が、大きな変化につながります。

学研教室では、お子さんのやる気を引き出して前向きに学習に取り組めるよう学習サポートを行っています。学校の勉強につまずいているなどで宿題に気持ちが向かないときは、学研教室をご検討ください。

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